滋賀県租税教育推進連絡協議会賞
税に込められた思いを乗せて
滋賀県立草津高等学校 1年 米澤るな
どの漢字にも、先人たちのたくさんの思いが込められているというが、税という漢字にはどんな思いが込められているのか。税が意味するものとは。私はまず、先人たちの税への思いを知ろうと思う。
税という漢字には、「兌」という文字が含まれており、神がかりの状態となってうっとりしている人の様子を表しているそうだ。「国富論」を記した近代経済学の父アダム・スミスはこんな言葉を残している。「どの税も、それを納める人にとっては、(奴隷のしるしではなく)自由のしるしなのである」というスミスの言葉は、神がかりの状態となってうっとりしている人の様子を想像することができる。つまり税金とは、自由で快適な生活を実現するためのものだと言うことを表している。税の部首である「のぎへん」は穀物を意味する。それは収穫した米や栗などから抜き出した中身を納める様子を表しているそうだ。昔は米などを税として納めていたからだろう。動詞では「『ゼイす』とは自分の持ち物をぬきとって、人に与える。」という意味がある。確かに税は自分たちの持ち物をぬきとっているという捉え方もできる。だがそれは、誰かのために使われ、誰かの笑顔に繋がっている。そして、私たちも誰かが納めてくれた税のおかげで充実した毎日を送れているのだ。そう考えてみると捉え方が変わってくる。
「人は一人では生きていけない」いつしか誰かが言っていた。一人で生きているように見えて、本当はたくさんの人に支えられて生きているのだ。
税は遥か昔から存在しており、長い年月を経て今あるべき形になっている。安全な生活を送るための警察や消防の活動、そして綺麗な町を作るためのゴミ収集車など、私たちの生活が自由で快適に過ごせるように、たくさんのことに税金が使われている。
しかし、日本の税負担の調査では、先進国の中でも低い水準にあるが、国民の税負担感については、重税であると感じている人が多いという結果がでている。私たちが納めた税金は、形を変え存在しているものが多い、だからこそ、納めた税金が真に役立っているという実感が持てない。
国民の税負担感を少しでも減らすために、私たちは税金の使い道を共に考え、納税は義務ではなく、私たちの今を、そして未来をよりよくするためのものだと理解することができれば、納税はいつしか、前向きな意思表示となるだろう。
税は長い年月を経て、たくさんの人の思いを乗せ、今に至る。経済を回すための税、自由で快適な生活を実現するための税、税の本質を知ることが今を、そして未来をよりよくすることに繋がるのではないだろうか。たくさんの人が築き上げてきた税を、次は私たちが受け継いでいく番だ。







