滋賀県知事賞

ヒーロー

米原市立双葉中学校 3年 木谷 莉緒

何を書けばいいのだろう。この作文について考えだした時、何も思い浮かばなかった。しかし、記憶を巡らせる中で、一つ思いついたのだ。私にとって、税金が「ヒーロー」となってくれた出来事を。

今は元気に生活を送っている姉だが、6歳の頃に十二指腸潰瘍という病気になった。この病気は、全人口の数パーセントの人しかならない珍しい病気で、6歳の子供では耐えがたいような腹部の痛みや、貧血などが引き起こされる病気だそうだ。まだ、3歳で状況をあまり理解していなかった私だったが、姉が真っ赤な血を吐いた時は、小さいながらに、なにか大変なことが起きていると思ったのを覚えている。

それからというもの姉は、ご飯代わりに、体内に栄養を送るための点滴、検査や手術など、あらゆる治療を受けた。そして、長い闘病生活を終え、姉の病気は治った。

ここで私は1つ、ある疑問を抱いた。それは、治療費や入院費、手術費などはどのくらいかかったのだろうか、と。長い期間の入院それに加えて治療や薬、手術や検査のお金となると、ものすごい金額になるのではないか。

私は母に聞いた。すると、「そんなにかからなかったと思うよ」と言われた。不思議そうな顔をしていた私に、母は「税金」が様々な形で助けてくれたのを教えてくれた。

その1つが「国民皆保険制度」だ。この制度は「国民全員が健康保険に加入すべし」とし、医療費の自己負担が1割から3割でよいというものだった。また、入院や手術となると、「高額療養費制度」というものがあるそうだ。これは、この制度で申請すると、払った医療費の一部が戻ってくるというものだった。結果、どちらも少ない負担で、質の高い医療サービスを受けることができるのだ。母は、これらの制度のおかげで、お金の心配だけはせず、姉の治療に専念できた、と話してくれた。

私達中学生にとって、税金とは身近なものではなく、なんだかよくわからない、難しいものだ。しかし、考えてみれば商品を買うときに何気なく、税金を支払っている。それは、支出となってマイナスなイメージを持っている人が多いだろう。しかし、私の姉を救ってくれたように、税金は誰かの命を救う「ヒーロー」になっていることを忘れないでほしい。世の中には、姉のように病気を抱え、苦しく、辛い生活を送っている人が大勢いるのだ。そんな人たちを支え、助けているのが税金による補助制度だ。だから、税に対するマイナスなイメージを取っ払い、税を払う意味を再確認することが今後、とても大切になってくると思う。

私たちが何気なく払っている税金は、誰かの大切な人を救う「ヒーロー」になっている。また、それを払っている私たちも、誰かの「ヒーロー」になっていることを忘れないでほしい。

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