公益財団法人納税協会連合会会長賞

日常を守る税金

滋賀県立国際情報高等学校 3年 横山 さくら

母が病院に緊急搬送された。私が中学3年生の頃だった。いつも通り過ごしていた母が夜中に頭痛を訴えだし倒れた。その時の私は突然の出来事に呆然とするしかなかったが、搬送先の病院で診断を受け、手術の必要があるということで手術が開始された。お医者様の迅速な対応のおかげか、母は後遺症もなく無事に手術は成功した。無事を安堵したのちに、手術と入院の代金が心配になった。

当時の私は高校入学を控えており、3つ下の妹は中学入学を控えていた。ただでさえ多額の出費を控えている状況だったため、私はもしかすると金銭面で入学が厳しくなるのではと内心不安に思っていた。手術と入院費がどのくらいの金額なのかは想像もつかなかったが、高価なのだろうという印象が強かった。心配になって父に尋ねてみると、「医療費は今まで払ってきた消費税や保険料からも支払われるから、そんなにお金を払わなくてもいいんだよ」と言われた。どうやら7割ほどもの金額を負担してくれているようだ。その時私は初めて消費税の使い道が案外身近なものだと知った。

今までは税金といわれると消費税しか思いつかないくらい、税に関心がなかった。そのうえどちらかというと、消費税は買い物するたびに元の金額にさらに追加の金額がかかることから良い思いはしていなかった。しかし今回のことから私は税金の存在を見つめなおすことになった。

どうやら調べてみると消費税の主な使い道は社会保障、医療、介護、年金等だそうだ。たしかに学生からするとそのありがたみを実感しにくい。だが医療に回されている税金のおかげで手術と入院をしたのにも関わらず、支払金額は本来の必要支払金額の3割のみが自己負担だった。これがもし税金が存在しなかったら、全額負担になる。手術が成功したのも、医療器具などが税金によって良い物が備えられていたことも大きいだろう。これまでたくさん払ってきた税金は決して無駄ではなかったのだ。

現在、私は高校3年生になり、この出来事から約3年の年月が経っている。母は今も半年に1度MRI検査のために通院しているが、あれ以降症状は出ていない。いつも通りの毎日を送っている。今のいつも通りが実現しているのは、税金のおかげだ。税金は公務員の給料になるだけ、余計な出費なんて印象があったが、今は使われる機会がなくてもいずれ必ず皆の負担を軽減してくれる機会があることを私のように学生の人に知ってほしい。数年後、私は消費税だけではなく住民税や所得税も納めなければならない。この税金は、私や家族、会ったこともない人の毎日を支えることになる未来への投資だ。私が納めた税金が誰かの生活を支えていると思うと、無駄だと思っていた税金を納めることが、今ではとても誇らしい。

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