納税協会連合会会長賞

未来のための貯金

滋賀県立草津高等学校 3年 及川 凛音

「税金は何のために払うのだろう。」

中学生の時、私はよくこう思った。私たちは普段、何かとつけて税金を払っている。しかし、それらのお金は公共の物に使われはするが私たち個人には還元されない。そんなイメージが私にはあった。とある出来事が起こるまでは。

中学三年生の時に私の両親は離婚し、私は母に引き取られた。いわゆる母子家庭だ。養育費は支払われておらず、生活は厳しかった。そんな状態で高校の学費など払えるわけがないと母が頭を抱えていたのがとても印象的だった。しかし私は無事に高校に入学し、その後も通うことができた。ずっと行きたかった高校に通えてとても嬉しかったと同時にとある疑問が私の頭をよぎった。その疑問とは、学費がどこから支払われているのかという疑問だ。母は私の高校の学費をどうするか悩んでいたはずだ。ある日私は思い切って母にお金は大丈夫なのかを尋ねてみることにした。すると母は、

「心配しなくて大丈夫。高校入学支援制度っていう制度のおかげでなんとかなったよ。」

と教えてくれた。この高校入学支援制度が私の進学を助けてくれたのか。一体どんな制度なのだろうと思い調べてみたところ、この制度は世帯年収が約二百七十万円以下の母子家庭が対象であること。公立高校の授業料や入学金、教科書代などを免除してくれること。そして、それらは税金から賄われていることを知った。私は税金に助けられたのだ。私は、母とこの制度のおかげでこうやって高校に通い、沢山のことを学ぶことができ、色んな人と出会い、そして看護師になるという夢を見つけることもできた。もしこの制度がなければ私はこうやって高校に通い学ぶことも、夢を見つけることもできなかっただろう。感謝してもしきれない。

皆さん、税金は出費だと思っていないだろうか。納めないといけないから納める。私もこの出来事があるまではそう思っていた。この考えはあながち間違いではないのかもしれない。実際私たち国民には納税の義務が課せられている。しかしこう考えることはできないだろうか。

「税金は未来の自分のための貯金である。」

と。

皆さんもいつか私のように税金に助けられる日がくるかもしれない。例えば事故での入院。前年に一定額以上の金額を支払っている場合、高額になった時に入院費などを払い戻してくれる医療控除と呼ばれる制度がある。この時の払い戻しは一体どこからくるのか。そう、皆さんが納めた税金からである。税金は未来の自分を助けるための貯金であり、税金を納めることは未来の自分を助けることである。私は未来の自分のため、そして同じような境遇にいる子のためにしっかりと税金を納めていきたいと思う。

中学生の優秀作品一覧に戻る

pagetop