滋賀県租税教育推進連絡協議会賞

税の使い道

滋賀県立長浜北高等学校 3年 阪東響子

「働かなくても暮らせます」
そんな一文が、新聞を読んでいる私の目に飛び込んできた。これは、名古屋市の建設会社が、勧誘したホームレスを無料低額宿泊所に住まわせ、生活保護費を一律管理しているという記事だ。

ホームレスは室内で暮らせるし、建設会社も利益を得る。結果的に国民が豊かになる。しかも、ホームレスと建設会社の双方の扶助になる。

私の住む市では、今年の四月より、0歳から中学生までの子ども達の通院費・入院費が無料になった。

私は小学五年生のとき、二週間以上熱が下がらず、咳も続いた。だが、私は長い間病院へ行かなかった。私は風邪だと思い、医療費をかけずに治したかったからだ。しかし、病院へ行ってはじめて、肺炎になっていると診断され、入院した。子ども達の通院費・入院費が無料になったことで、私がかかったものよりももっと深刻な病気にかかっている子どもが救われるかもしれない。小さな子どもはどんなに些細な身体的変化でも、重い病気になりかねない。だから、子どもの医療機関への受診の機会を増やすことは重要であると言える。ゆえに、この制度は、子どもやその家族の扶助になる。

二つの事例を挙げたが、両者にはどのような差異があるのだろうか。どちらも、国民の扶助となっている。しかし、前者は、建設会社がホームレスの生活保護費を管理する必要はないということが言える。生活保護費は生活困難な人々のために支給される。したがって、経済的に困窮していない建設会社にまで国民の税が回っていることはいわば「税の余剰」だ。これは税の使い方として間違っている。後者は、子ども達に医療を受ける機会を平等に与えることになる。それだけでなく、医療費が多額になった場合、子どもの家族にとって大きな援助になりうる。したがって、この税の使い道は道理的である。

税は、国民の扶助となるべきである。それは、経済的弱者への扶助だ。税によって平等でより豊かな国にする、という言葉を口先だけのものにしてはならない。そのためには、まず、国民一人ひとりが税の使い道を経済的弱者の視点から考えることが必要だ。そして、税の無駄遣いを減らし、本当に必要なことに使える税を増やさなければならない。

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