滋賀県租税教育推進連絡協議会賞

税は嫌なもの?

滋賀県立彦根東高等学校 1年 伊藤鈴菜

今日、ニュースではタックスヘイブンなる物が話題である。多くの個人や企業が利用していたという「税の避暑地」は、多くのお金を必要とする企業には、確かに魅力的かもしれない。だが、日本で納税する私達からすればどうだろう。正しく税を納めないというのは、国民の義務を放棄していることになる。税金は、義務を捨ててまで逃げたいほどのものだろうか。

まず、税金は私達が健康で文化的な最低限度の生活を送るためにあることを前提としておく。そうすると、税から逃げるという行為は全て、私達の将来に、国債という形であったり、社会保障への影響という形であったりして返ってくる。今逃げると、その代償は大きくなる。

こう言ってしまうと、まるで国が税を払わなければ国民の願いを聞き入れないぞ、と脅しているように聞こえてしまい、結局税金というものが悪いもののようになってしまうだろうが、そうではない。

例えばデンマークの消費税は二〇一六年八月現在で二十五パーセントである。これは、世界的に見てもとても高いといえる。だが、その分社会保障は潤っている。福祉に対する国民の意見も多く、国全体で国を住みよいものにしていこうという考えができている所である。さらに言うならば、家族間で現在の政治について語ることもしばしばあることらしい。普段から国のことについて考えるというのは、あまりできることではない。二十五パーセントの消費税は重荷ではないと思えているからこその対応といえるだろう。

日本も近日、増税についてのニュースを聞くことがあり、それに対する嘆きの声や反発も多い。しかし、十パーセントの税を重荷ではなく逃げるべきものでもない。将来のための糧だと考えれば、税金というのは日本の動力源になるのではないだろうか。

消費税に限らず、税金は日本の活力である。日本人はよく税金を「取られた」、「〇〇円引かれた」と、受動態で言いがちだという。それを、例えば、「払った」、「出した」と自分は日本のためにこれだけのことをしたのだと誇れる人が増えれば、少子高齢化でも負けていない、諦めない国であることができるだろう。

タックスヘイブンなどという、かりそめの楽園の誘惑は、そのような強い心を持った国民と国際的な不景気にも諦めない国家という二枚の壁で食い止めて欲しいものだ。そして、税金が決して悪いものではないと後世に誇れる社会を、私たちで作っていきたい。

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