滋賀県租税教育推進連絡協議会賞

社会連鎖の道徳的な一部を成す税について

滋賀県立石山高等学校 1年 田中文悠

高校生の私が現在支払っている税金の種類は消費税に限られています。社会人になればさらに様々な角度から税金を納めることが義務付けされます。例えば、所得税や法人税、固定資産税などは私達に身近な税の一部です。

そんな、私達の生活とは切り放せない存在である税金。それを支払うことについて積極的な意義を示す国民はあまり多くはないように思います。そうではありながら、私達は日々の暮らしのあらゆる場面で税金によって生活を支えられているのです。それを深く実感せざるを得ない出来事が私にはありました。

中学三年生の秋、私は真珠種性中耳炎を発病し、遅めではありましたが手術を受け、不事に治療を終えることができました。放置しておくと耳小骨が破壊され、場合によれば顔面の半分に麻痺が残る恐れがあったといいます。そのような事態を回避できた私は国に感謝すべきです。医療保険による給付がなければ自分の病気の治療によって家族に金銭面での多大な負担を掛けてしまうところでした。

ここでの税金の役割は何でしょうか。不意に起こった出来事を日々の生活の許容範囲で収める元手となるものが保険です。その給付となるのが税金、税金は国民が支払っています。このサイクルを大きな規模で捉えてみると私にはある考えが浮かびました。国民が支払う税金によって国民の生活が保障されるのなら、人々は税を通して互いに助け合っているのではないか。助け合うことで国民全員で国を成り立たせようとしているのではないかということです。確かに税による国民の負担は小さくはありません。しかし、自分や家族もお世話になるのだという発想に転換すると、どこかありがたみや積極的な義務感が芽生えるのではないかと思うのです。

例えば病気について、それは不意に私達を襲いかかり、治療、場合によっては死に至るまでも私達の予期せぬ事態を引き起こします。当の本人が家計を支える立場であった場合、治療期間に失われる収入や、従事している社会環境に与える影響は小さくありません。また、その間にかかる費用によってもあたふた困惑する事態になりそうです。不意に起こるから恐ろしいのです。それに備えた国の制度は本当に素晴らしいと私は思います。

国民を支える、それが税の役割です。納税によって人々は互いに助け合い、何気ない日々を過ごしています。その日々が、様々な物事の連鎖によって成り立っていることに気付き、その一部が税金であると人々は気付く必要があります。税の意義とは、言うまでもなく国民が国民であることに対する義務です。しかし、それがどういった成り行きで義務なのか、道徳的な心構えで捉えたい限りです。

私達の世代が社会を担う時、人々の税に対する姿勢が後ろ向きに定着していてはなりません。私は、国民としての義務の深さを問い、国への優しさと感謝の気持ちを持って、税に積極的に向き合う自分の将来を約束します。

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