滋賀県租税教育推進連絡協議会賞

税の恩恵は誰のもの

滋賀県立八幡商業高等学校 2年 平田 千紘

税とは、人々が自分たちのために、日々の生活の中でお金を出し合う制度です。税金を払うのは自分たち、使い方を決めるのも自分たち、消費するのも自分たちです。決して、顔を拝むことすら恐れ多いような偉い人や、まったく無縁の人のために善意で納めるものではありません。私は部活動に明け暮れる高校生で働いた経験は一つもありませんが、社会に出るときは、そのことを覚えておきたいです。

普段、「汗水たらして働いているのに、稼いだ金は所得税に吸われる。理不尽だ。」というニュアンスの話をよく耳にします。それは確かにごもっともかもしれません。「あなたが生活していくために自力で手に入れたお金だけど、他にもお金が必要な人がたくさんいるから、社会のみんなのためにぜひ気を利かせて、そのお金を分けてね。」と、否応なしにそう言われているように感じ、頑張って働いた人にとっては、我慢ならないことだろうと想像できます。

しかし、そんなふうに思ったときこそ、それまで自分が受けてきた公共サービスを思い返すべきだと思います。一般的に身近なものならば、学校教育、医療機関、警察や消防、道路の整備などでしょう。学校教育であれば、小学校六年間と中学校三年間で、一人当たりおよそ800万円以上かかっているようです。医療費で言えば、成人するまでで約300万円、二十代からはさらに年間の医療費が増えていくようですが、利用者が負担するのは最大でも3割までです。警察や消防については、直接利用したことのある人は少し珍しいかもしれません。しかし、当たり前の生活を安心して送ることができるのは、警察や消防のような、困ったときに助けを求めれば、いつでも駆けつけて当然に助けてくれる人がいるかもではないでしょうか。公共の道についても、いつも通勤・通学に利用する道が、草や石だらけだったり、古いアスファルトに穴やヒビばかりあったりすれば、通りにくいだけでなく、怪我をするかもしれません。しかしそのような土木工事も、税金によって行われます。

これらのサービスがあるのは、「自分が一生懸命はたらいて得たお金」を、「みんなのために一部遠慮している」からです。しかしこれらのサービスは公共のものなので、もれなく自分自身も享受できているはずなのです。そう考えると、税金を払うことは、知らない誰かのためだけでなく、もしかすると明日のあなたのためかもしれないというふうには思えはしないものでしょうか。

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