大阪国税局長賞
関係のない税はない
滋賀県立水口東高等学校 2年 山中 あまね
今年の六月から全国で森林環境税が導入された。森林環境税とは自治体が森林整備などの財源に充てるために、年千円徴収される税のことである。私はこの税についてSNSなどで「なぜ森のない都市に住んでいるのに払わなければならないのか」「都会に住んでいる人には関係ない」などの声が上がっていることを知り、そんな人にこそどんなふうに税が利用されているか知ってほしいと思った。
琵琶湖森林づくり県民税。これは私が住んでいる滋賀県で徴収されている税の名前だ。平成十八年度から導入されていて県民は年八百円を納める必要がある。目的は滋賀県の森林整備や次代の森林を支える人材を養成するための財源にすること。森林環境税と似ている。だが、この税について知っている人は少ないと私は思う。実際この税を知った時に母に聞いたが知らなかった。納税者である大人ですら知らないとなると、私たち子供はますます知ることはないだろう。しかし、この税は滋賀の森林を守るのはもちろん、生活の要である琵琶湖も守っている。
「綺麗な川や琵琶湖、海を守るには健康な森を守り、育てることが大切。」
この言葉は小学校五年生の時に参加した「海と日本プロジェクト」で水の守り人さんに教えてもらったものだ。山に降った雨が森林に蓄えられ、沢に流れ出し、沢が川となって琵琶湖に流れ込む。それ故に、水のスタートとなる森林を豊かにし、綺麗な水にする必要がある、ということだった。つまり、森林を整備するということは琵琶湖の整備にもつながっていて、さらに言うと琵琶湖の水を使って生活をしている私たちにも影響があるということである。
また、この税は森林の整備だけではなく、災害に強い森林づくり事業などにも活用されている。手入れされていない森林は土砂災害などの発生リスクが高く、場合によっては甚大な被害を生み出すことがある。私は小学四年生の時に家の一階部分に裏山の土砂が流れてきて避難したことがあるが、あの時の恐怖や変わり果てた家を見た時の絶望感はこの先忘れることができないと思う。だからこそ、自分と同じような思いをする人を減らすためにも積極的にこの事業に取り組んでほしいと感じた。そして、この活動が広まっていろんな人に土砂災害などのリスクや行政の対応を知ってほしいと思う。
一見、自分には無関係に思える税でも、それは自分の命や誰かの命を守るために使われているかもしれない。もしくは、今担い手が少なくなりつつある林業界隈を手助けするために使われて私たちの生活を支えてくれるものかもしれない。知らないから批判するのではなく、本質を知ってその必要性を考えることで、今一度果たして本当に自分に関係がないのか考え直してみてほしい。よりたくさんの人にこれらの環境に関わりのある税が知られるよう願っている。







