滋賀県租税教育推進連絡協議会賞
災害と税金から学んだ支え合い
滋賀県立河瀬高等学校 1年 山本 葵生
昨年一月、能登半島地震のニュースを見たとき、私は胸が締めつけられる思いがした。壊れた家や道路、避難所で不安そうに過ごす人々の映像は、これまでに経験したことのない現実の重さを感じさせた。私は石川県から離れた場所に住んでいるが、「もし自分の町で同じことが起きたら」と考えずにはいられなかった。その時、ニュースの中で「復旧や被災者支援には国や自治体が大規模な予算を投入する」と知った。さらに、その財源の多くは税金であると聞き、私は税の存在について改めて考えた。これまで税金は「大人になったら払うもの」という程度の認識しかなかった。しかし被災地を支える姿を見て、税は暮らしを守るために欠かせないと実感した。学校でも、道路や学校、警察や消防といった身近なサービスも税金で支えられていると学んだことがある。だが、能登半島地震のような大災害を目にし、教科書の知識が現実の出来事と結びついた。自衛隊の救助活動や避難所に届けられる食料や毛布など、一つ一つの支援が税によって成り立っていると気づいたとき、税は「安心を生み出す仕組み」だと思えた。また、被災地の復興には、長い時間と莫大な費用がかかると報じられていた。道路や住宅の再建には国の支援が不可欠であり、そこに多くの税が使われる。もし税がなかったら、人々は生活を立て直せず、町そのものが消えてしまうかもしれない。税には「命を守る力」と同時に「未来を取り戻す力」もあるのだと感じた。
私はまだ高校一年生で税を納める立場にはない。しかし社会に出れば必ず納税者の一人となる。そのとき「税は無駄だ」と思うのか、「誰かの安心を支えている」と考えるのかで、きっと生き方も変わるだろう。能登半島地震から学んだのは、税は単なるお金ではなく、困っている人を助け、社会を立て直す大切な道具だということだ。
私たちは災害のない日常でも、医療や教育、防災設備など税の恩恵を受けている。そして、いざというときには被災地を支えるために税が使われる。つまり税とは「互いに支え合う気持ち」を形にしたものだといえる。
これからの日本は少子高齢化で税収が減ると言われている。だからこそ、一人一人が税に関心を持ち、正しく使われるよう考えていく必要がある。高校生の私にできることは限られているが、まずは税について学び身近な出来事と結びつけて考えたい。
そして将来、
「自分の税金が社会を支えている」
と胸を張って言える大人になりたい。
能登半島地震をきっかけに、私は税の本当の意味を知った。税は人々の痛みを和らげ、未来をつなぐ社会の力である。これからも日本は災害に試されるだろうが、そのたびに税を通して互いを支え合い、立ち上がることができるのだと思う。







