滋賀県租税教育推進連絡協議会賞
若者と税金
滋賀県立国際情報高等学校 3年 山本 心花
「若者と税金」というテーマを考えるとき、私は「払う前から関心を持つこと」が大切だと思う。正直、これまで税金といえばレシートにある消費税くらいしか意識していなかった。でも物価の上昇や災害、少子高齢化のニュースを見ていると、その数字は暮らしと社会をつなぐものに思えてくる。税はただ取られるお金ではなく、みんなでどんな社会を作るかを表すサインのようなものだ。だからこそ若者も、納める前から考え、関わっていく必要があると思う。
まず、税は「支え合いの仕組み」だ。私が通う学校の耐震工事、図書館の本、奨学金、道路や救急医療――こうしたものは一人では用意できないが、税を通してみんなで支えている。地震の夜、避難所の明かりがついているのを見れば、その光は税によって守られている安心の象徴だとわかる。税を払うことは、その光を消さないための約束でもあるのだ。
同時に、税は「社会の価値観を映す鏡」でもある。誰からどのくらい集め、どこに使うかで、その国が大事にしているものがはっきりする。例えば消費税は広く集められるけど、収入が少ない人ほど負担は重く感じる。若者は安定した収入を得にくい時期が長いから、負担と給付のバランスを世代を超えて考えることが必要だろう。「若者と高齢者」の対立だけでなく、子どもや障害のある人、地方の人など、いろんな立場を視野に入れなければならない。税の議論はお金の取り合いではなく、リスクを分け合う仕組みづくりなのだ。進路相談で奨学金の話をしたとき、国の補助がある前提で将来を考えている自分に気づいた。支えがあるからこそ挑戦できる。この「挑戦の自由」を守るためにも、税の透明性は欠かせない。単に金額を示すだけでなく、どう役立ったかを説明し、失敗から学ぶ工夫も必要だ。
では若者にできることは何だろう。私は三つ考える。第一に、レシートの消費税額や給与明細の控除をしっかり見ること。小さな気づきが意見の土台になる。第二に、自治体の予算や取り組みを調べ、疑問をパブリックコメントや生徒会の活動で伝えること。投票はゴールではなく、参加の入口になる。第三に、これからの課題――気候変動やデジタル化、地域の衰退など――に向けて、税を「負担」ではなく「未来への投資」と考える想像力を持つこと。お金を払う痛みだけを見るのではなく、その結果として守れるものや得られる利益を考える視点が大切だ。
税は、若者にとって遠いものではない。もし私たちが無関心でいれば、社会の形は他の人の価値観だけで決まってしまう。だから私は、レシートの小さな数字から社会全体の設計図へと目を向けたい。納める前から関わる――それが、これから納税者になる私たちの最初の責任だと思う。







