納税協会連合会会長賞

税と私

滋賀県立長浜高等学校 1年 草野穂乃香

消費税を段階的に10%まで引き上げるための法案が成立したという報道を聞いた。増税の理由は、年々増加する社会保障費を賄うためだ。

私達高校生にとって税金の増減というのは、正直なところ親ほど切実ではないかも知れない。それでも東日本大震災の復興事業や、先日の豪雨被害の復旧などよくよく考えれば、税収なくしては私達の日常生活はたちまち危機に陥るだろう。

税の起源は文明の起源とも言われる。いわゆる四大文明においても既に税は明文化されている。もちろん我国でも租庸調といった税が、奈良時代には整備されていた。

時の為政者はこうした税を様々な国家運営に利用してきた。それは巨大建築物であったり、戦争の戦費だったりしたし、時には私有財産に注ぎ込んできた一面もあるだろう。政治というのは結局のところ、「税金を何に使うかを決めること」につきるのだ。

私は税について考えるという事は、政治について考える事と同義だと思っている。税金の再分配こそが政治の本質なのだと思う。

日本人、とりわけ私達若い世代は政治に無関心だとよく指摘される。私自身今まで特別に関心があったとは言えない。しかし、政治に関心がないということは税金の使われ方にも興味がないのと同じではないかと気づくようになった。

何に使われるのか、それは妥当なのか、不正や非効率はないのか、そういう点を一切考慮しないまま、私達は粛々と税金を差し出している。考えてみればそれはおかしな話だ。

なぜなら奈良時代やメソポタミア文明の為政者と違って、現代の日本の為政者は私達自身だからだ。選挙で選ばれた私達の代表者が、間接的に政治を行うのが現代の政治制度だ。そこでは、税金の再分配を取り決めるのは実質的に私達自身のはずだと思う。

にもかかわらず、政治に興味を持たない。どこかで誰かがうまくやってくれている。そういう価値観が如実に現れているのが「税金を取られる」という言葉ではないか。税金は誰かに取られるという性格のものではないことに気づくことが大切だ。

私はまだ選挙権を持てないが、消費税という形で既に納税者の一人だ。自分自身の未来のためにも、税にそして政治に関心を持ち続けたいと思う。

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