国税庁長官賞

教科書のあの言葉

近江八幡市立八幡西中学校 3年 東山 愛

2008年、私が生まれたこの年の消費税は5%だった。5%、8%、10%、15年間の間に2倍にも消費税が上がったということである。15%になる日も近いのではないか、そんなことを考えて、私は悲しい気持ちになる。両親が所得税や固定資産税を払っているのはもちろん知っている。だがそれらの税は私とは関係がないように感じていた。そんな中、消費税だけは小さい頃からずっと払ってきたし、身近な存在だった。お小遣いをたくさんもらえるわけではない。そんな大切なお金を消費税のために払わなくてはいけない。しかも、その消費税がどんどん上がっていく。ルールで決まっているから払う、仕方ないから払う。消費税に対して私はそんなマイナスなイメージを持っていた。

2021年の衆議院議員選挙の時、たくさんの政党が消費税を減税するという公約を出していた。コロナ過で経済停滞が続いていたこともあり、消費税が下がることはとてもいいことなのではないかと考えていた。だが、結局消費税を下げるという公約を出していなかった自民党が多くの議席を獲得し、消費税は変わらなかった。みんなは消費税が下がってほしいと思っていないのか不思議に思ったので、お母さんに尋ねると、「税金は悪いことばかりじゃないんだよ。」と言われた。疑問に思った私は、私たちが納めた税は何に使われているのか調べてみた。1番多いのは社会保障費で、2番目は国債費、3番目は地方交付税交付金だった。そして、私が注目したのは、文教及び科学振興という欄だ。全体でいうと6番目、割合的には歳出総額の約5%、決して多いわけではない、しかし確かにそこに刻まれていた。1人の中学生あたりの公費負担教育費は約112万2千円だそうだ。いわば大人の人には関係ないお金だ。しかしたくさんの人が私たちのためにお金を払ってくれている。そのことを痛感した。税があるからこそ私は学校に通い、勉強することができている。税のありがたさを実感した。私が払うのは消費税だけで、決して多いわけではない。しかし、私が払うその消費税もきっと誰かの役に立っているのだろう。「税は悪いことばかりじゃない。」その言葉の意味が理解できた。

「この教科書は、これからの日本を担う皆さんへの期待をこめ、税金によって無償で支給されています。大切に使いましょう。」私の教科書に書かれているこの言葉の意味が今ではしっかりとわかる。「勉強がんばってね。」そんなたくさんの人からのメッセージを心に刻み、日々勉学に励んでいきたい。いつか自分もたくさんの税を払えるようになり、その税によって多くの人の笑顔がつくれるように。税は、助け合いのバトンなのだ。

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