全国納税貯蓄組合連合会会長賞

日本人の幸福のために

滋賀大学教育学部附属中学校 3年 馬場 莉子

私は、以前、日本の社会保障制度について考え、その制度の充実さに驚いた出来事がありました。

それは、私の父方の祖父が15年前に神経性の難病を患い、年々体中の筋肉が硬化し、寝たきり生活になり、年に数回は必ず肺炎になってしまい、その度に入院する姿を何度も見ていたのですが、祖母が祖父の介護をしている最中に私に「じいじはこれまで働いて高い税金を払ってきたけど、今はそのおかげで高い病院代を国にみてもらってるんや。本当にありがたいわ。」と言ったのでした。詳しい費用は知りませんが、祖父は病気の薬代や入院した際の入院費、筋肉が固まるので定期的にマッサージを受ける費用など、多額の治療費がかかっていたと思います。そんな費用を国から保障してもらっていることを祖母から聞いて知り、日本の社会保障制度は充実しているのだなと実感したのです。しかし、私はこのような充実した日本の社会保障制度は今後は維持できなくなってしまうと思います。

それは、今回、税について学んで知ったことですが、将来、社会はどんどん少子高齢化が進み、社会保障にかかる費用を負担する働き手が減少していくからです。しかし、これは仕方がないことだと思います。支えなければいけない高齢者が増加し、支える若者が減少していくのが現実であれば、社会保障をまかなう税金が減少してしまうので、一人あたりの補償される額を減らし、日本国民全員で苦しさを分かち合って、節約するための知恵を出し合ったりする等して乗り越えていくしかないと考えます。父は公務員として働き、税金を納めていますが、私も成人すれば一生懸命働いて、日本国民の義務として祖父のような高齢者を支えるために決められた税金を納めていきたいと思います。

しかし、8月中旬ごろの新聞記事に、ある自治体の永住資格をもった外国人の住民税や国民健康保険料の滞納率が、日本人と比較して、三から四倍も高く、国民健康保険料では日本人の滞納率が約九パーセントであるのに対し、外国人は約二九パーセントと高く、更に永住資格を取得するまでは納税して、取得すれば滞納する悪質なケースもあり、納めるべき税金を納めずに日本の手厚い社会保障を受けている外国人が多くいることを知りました。

国は、法律を改正して悪質な税金を滞納する外国人の永住資格を取り消せる制度にしたとありましたが、税金は無限に湧き出るものではなく、ほとんどの日本人が真面目に働き、納めた、限りのある財源なので、このような日本の手厚い社会保障制度を悪用する外国人のためでなく、戦後の苦労された時代から今の豊かな日本にしていただいたご高齢の方々が幸せになっていただくために使ってもらえる世の中になればと心から願っています。

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