納税協会連合会会長賞

森を育てる税

湖南市立甲西中学校 3年 此木 思結

私にとって身近に感じる税は消費税です。

ですが他の税について全く知らないので調べてみました。すると、税には約五十種類の税があると知りました。そんなに多くの税があるとは知らず、とても驚きました。その中でも私は気になったのは今年度から始まる森林環境税という新しい税金です。森林環境税とは「森林整備」「人材育成」「木材利用の促進」に使われる税金です。地球温暖化の原因である温室効果ガスの削減や土砂崩れなどの災害防止につながると知りました。

毎年夏になると豪雨による土砂崩れなどの災害に関するニュースを目にすることがあります。山の土がむきだしになっていたり、土砂で家が跡形もない状態を映像で見るだけでとても怖くなります。もし自分も土砂崩れを目の当たりにしたらと思うととても恐ろしくなります。近年の異常気象は地球温暖化が原因だと言われます。森林は、二酸化炭素を吸収して地球温暖化を緩和してくれる重要な存在です。

日本は国土面積の約七割を森林面積が占めており、そのうち人口林面積は森林面積全体の約四割に当たります。今、林業に携わる人の減少で放置されてる森林の増加などの課題を抱えています。人工林が放置されたままだと、樹木が混み合い日が差し込まなくなることで樹木は細く根も発達しなくなります。しかし、間伐などの手入れをすることで樹木の根が地中深くに伸びて土壌と岩盤を固定するため、山崩れや土砂の流出が抑えられます。森林がもつ機能を活かすには、森林をしっかりと整備していくことが大切です。そこで、林業で働く人材が不足していることも問題です。森林環境税ができたことですぐに林業の仕事がしたいと思う人は少ないと思います。私は小学校の時、山の子という行事に参加しました。山の中をガイドさんと散策し、丸太を切る体験などをしました。子供のうちから森林について学び、経験することは興味をもつきっかけになると思います。そのきっかけを作る事にもこの税金が使われても良いのではないかと考えます。それは「人材育成」のためにも有効なひとつの使い道だと思います。

私は森を守るために木を伐採しないことが環境には良いと思っていました。しかし、人工林は成長した木を伐り新しく植え育て、切った木を使うことで森林が元気になることを知りました。私たちの安心安全な生活を守るために使われている税金がどのようなことに使われているのかを知ることが大切だと思います。今の私は税金を納めることよりも多くの税金を利用しています。学校で学べることも病気で医療を受けることができるのも誰かが納めた税があるからです。税について正しい知識を持ち、大切に使うことが未来に繋がると思います。

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