国税庁長官賞
税金
草津市立草津中学校 3年 村田 晴美
二〇二四年度の日本の一般会計税収は約六九兆円に達しました。国民一人あたりにすると約五五万円を納めている計算になります。これほどの大金が国に集められているのに、私たちはその使い道をどこまで理解できているのでしょうか?
国際的な調査「オープン・バジェット・サーベイ二〇二三」によると、日本の予算透明性スコアは六三点で、OECD平均の六七点を下回っています。さらに「税の優遇策の公開度」は一〇四カ国中九四位と、世界的に見ても低い順位にとどまっています。つまり、「集める額は多く、使い道は不透明」という現状だということです。私自身も、買い物のたびに支払っている消費税が本当に役に立っているのか、疑問を持つようになりました。
その不透明さは他の国と比べるとさらに鮮明です。台湾では政府の予算や補助金の使い道がすべてインターネットで公開され、誰でも確認できます。インドやペルーでは、税の優遇でどれだけ税収が減ったかを明確に数字で示し、政策が本当に効果的だったのかを検証できる仕組みがあります。スコットランドでは予算案を事前に公開し、市民や議会の意見を取り入れる制度が導入されています。こうした例を見ると、日本も改善できる余地がたくさんあると感じます。
一方、日本では会計検査院が毎年税金の無駄遣いを指摘しており、二〇二三年度だけでも三四五件、総額六四八億円にのぼりました。これを知れば誰もがもったいないと思うでしょう。教育や福祉、災害復興といった分野に使えばどれだけの人が助かるのかと考えると、数字の重みを実感できます。例えば六四八億円あれば、公立小学校に新しい教科書を配ったり、被災地に支援物資を繰り返し届けたりすることができるはずです。
では、それを実現するために私は次の三つを取り入れるべきだと思います。第一に、台湾のように税金の使い道をオンラインで公開し、途中経過や成果も見えるようにすること。第二に、インドやペルーのように税を使った政策に本当に効果があったか検証すること。第三に、スコットランドのように市民が意見を出せる制度を整えることです。まずは一から作り出そうとせず、実績のある政策から始めることで、確実に信頼を高めていきます。
税金は国民から集められた「未来への投資資金」です。透明性を高めれば「社会の役に立っている」ことの実感が生まれ、私達のような若い世代も将来、税の負担に前向きになれるように思います。中学生や高校生の今だからこそ、「税のあり方」を考えておくことが大切だと思います。
六九兆円という巨額の税金。その数字は、ただの金額ではなく、日本社会を支える力そのものです。私は他国の政策や過去を教訓に「見える税金」の実現を望みます。それこそが信頼と未来を築く第一歩になるからです。







