滋賀県納税貯蓄組合総連合会会長賞

祖父の後ろ姿

高島市立マキノ中学校 3年 落川 温心

「備蓄米、入荷しました」という張り紙を通学途中にある食料品店で目にした。私は、都会のスーパーに備蓄米が入荷されたニュースを思い出した。早朝から備蓄米を求め、長蛇の列ができていたことが印象に残ったからである。だから、このような田園が広がり、農業が盛んな田舎にも、備蓄米が売られていることに驚いた。私は、備蓄米について調べてみることにした。すると「政府が不作や災害時に米の供給が不足する事態に備え、あらかじめ一定量を買い入れて保管している米」と書かれていた。ここにも税金が使われているのだ。

私は米作りの大変さを少し知っている。それは、私の祖父が環境こだわり米を栽培しているからだ。これは、化学合成農薬と化学肥料の使用量を通常の半分以下に減らし、琵琶湖などの周辺環境に配慮し栽培した米のことだ。七十六歳になる祖父は、今日も真っ黒に日焼けをしながら米作りに励んでいる。私は春先に種まきを手伝ったことがある。機械に土の入った苗箱を入れ続ける作業だが、途中で嫌気がさすこともあった。しかし、祖父は不満を漏らさず、重たい苗箱を運ぶ力仕事を淡々とこなしていた。そんな祖父を見て、とても七十六歳には見えず、たくましく思った。米を収穫するまでには、草かりや水田の水の管理など多くの作業がある。私が毎日、美味しいご飯が食べられるのは祖父のおかげだ。私は祖父がいつまでも元気に暮らしてほしいと思う。祖父は、税金によって必要な医療が受けられ健康を保てる。また、年金によって生活が保障され不安なく過ごせる。このような安心できる日本の社会に感謝したい。

世界には、必要な医療が受けられず命の選択を迫られる国。学校の教育が受けられない子ども達。治安が悪いために事件や事故に巻き込まれる危険など生活に困窮する国もある。しかし、日本は税金によって公平に支える仕組みのある国だ。

私の身近な生活の中にも多くの税金が使われている。中学校での活動や医療費の助成。消防や警察による生活の安全。道路や水道の環境整備など私達の生活を守ってくれているのである。社会をより良くするために税金は使われているのだ。税金は「取られるもの」ではなく、働ける人が税金を納めることで、社会を豊かに変えてくれる。私達が安心して暮らしていける世界に繋がるのである。

私の祖父も税金の有り難さを良く知っている。だから祖父は

「元気なうちは働いて納税するんや。」

ということが口癖だ。祖父の後ろ姿をみていると思う。私も大人になったら、今までの恩返しができるように、しっかりと納税できる人になりたい。

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