近代国家は「福祉国家」であるといわれています。それだけに社会保障の充実は、国や地方公共団体の大切な仕事のひとつです。そのために、国、滋賀県、県内市町とも多額の予算を充てています。
生活保護をはじめ、病気やけがをしたときに、安い費用で治療が受けられることや、老後も安心して暮らすことができるといったことなどは、福祉の充実によるお陰なのです。
現在の厚生労働省のデータでは、日本人の平均寿命は、男性81.05歳、女性87.09歳で、50年の間に約15歳も伸びています。一方、出生率の激しい低下も見落とすことのできない現象です。急激な高齢者の増加と年少者の減少は、将来に大きな問題を投げかけています。
問題の一つは、健康で文化的な社会や老後の安定した生活を実現するための社会保障の費用が増えていくことであり、もう一つは、その費用を負担する働き手が減っていくことです。
社会保障制度の中でも重要なものは年金と医療ですが、高齢者の急増にともない、この方面の費用が増えることが予想されます。
2000年では、65歳以上の高齢者1人を働き手3.9人で支えていましたが、2050年には、1.4人で支えることとなるのです。