お知らせ 滋賀県税租税教育推進連絡協議会と滋賀県内の各協議会のニュースやお知らせ等の最新情報です。
2023/4/12
不満を抱く裏側で 高橋陽子

大阪国税局長賞

不満を抱く裏側で

滋賀県立八幡商業高等学校 2年 高橋 陽子

かつてはたくさんの若者が、少数の高齢者を支えていた。しかし、そのような時代は終わり、今度は少数の若者がたくさんの高齢者を支える時代へと突入した。このように少子高齢化が深刻化する中、私たちの身の回りの税金はどんどん増えていく。その上、戦争や新型コロナの影響で世界的な不況にも陥ってしまい、私たちの生活は苦しくなる一方だ。

私は、この先、大学へ進学して、自分の興味のあることや、やりたいことを見つけていきたいと考えている。しかし、学校の授業で税金について学んだとき、この先、働き盛りの若い世代の税金の負担が大きくなり、子育て支援や医療・介護・年金に使われることを知った。私は、大学進学時に奨学金制度を利用しようと考えているので、社会に出てから増え続ける税金と奨学金の返済などの自分が負担しなければいけないお金について考えることになり、この先本当に大丈夫なのかと心配になった。それと同時に、これから先、やりたいことがいっぱいある若い世代がなぜ税金によって大きな負担を背負わなければいけないのかと疑問に思った。しかし、税金について調べていくうちに、祖父のおかげで私の税金への考え方は変わった。私の祖父は九十七歳の要介護者だ。税についての学習で、税金は高齢者の介護費用にも使われていることを学んだので、祖父が利用している制度を調べた。すると、車いすや介護用のベッド、高齢者用のオムツなど、寝たきりの祖父が生活をするのに必要不可欠な物のほとんどが税金によって支援されていることを知った。このような税金の支援がなければ、祖父の介護をする八十代の祖母も、介護をされる側の祖父も、金銭面、生活面、健康面で常に不安に襲われて、今のように元気に生活をすることはできなかった。祖父は、認知症で私のことも家族のことも覚えていないけれど、毎日、おはよう、いってきます、ただいま、おやすみなどと挨拶をすると、必ず優しい笑顔で返してくれる。また、祖父や祖母のように税金によって生活を支えられている高齢者やその家族もたくさんいるはずだ。

増え続ける税金に不満を抱く人がいる一方で、税金で生活を支えてもらい助けられる人がいる。私自身も最初は、不満を抱く側の人間で、若者が税金で大きな負担を背負うのは高齢者優遇だと感じていた。しかし、違う視点で改めて考えてみることで、高齢者優遇なんかではなく、税金は、より多くの人にとって暮らしやすい社会をつくりだすための制度だと考えた。税金を納めることに不満を抱く人には、改めて税金の制度について考え直してほしい。その不満の裏で、実は自分も税金によって支えられていたという新たな気付きがあるかもしれないからだ。今後も課題はたくさんあるが、まず現状を知ることが大切だ。

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2022/4/4
税金の使われ方 迫田香澄

滋賀県租税教育推進連絡協議会賞

税金の使われ方

滋賀県立高島高等学校 1年 迫田香澄

2019年10月から消費税が10%になった。消費税が上がることは、私たちに良くないことのようにテレビなどで言っていたことを覚えているが、私は税率が上がることに賛成だ。まだ、自分でお金を稼ぐことができないから、そんなことを言えるのかもしれないが。

消費税は、社会保障の財源の一つとして使われている。日本では平均寿命が年々延びてきている中で、皆が安定した生活を続けられるか、という課題がある。政府が国の社会保障を充実させるためには、税金から収入を得るか、借金をするかの二つの方法が考えられる。いろいろな税収のなかで消費税は景気に左右されず安定した税収を得やすいことから増税が選択されたそうだ。今後さらに少子高齢化が進み、税収が追いつかなくなると言われている。私一人でできることは小さいことかもしれないが、正社員として就職し、しっかり働き、増税になってもきちんと税金を払える収入を得られるようにしたいと思う。

税金については、中学校までに話を聞く機会はあったが、正直なところあまりよく覚えていない。この作文を書くにあたって、インターネットなどで税金について調べてみた。税金の使い方として割合が多いのは医療、年金、介護など私たちの生活を守る「社会保障費」だが、他にも地域の医療や警察、消防をはじめ、公的サービスに充てるため地方自治体に交付されたり、町や道路の整備にも使われている。また、私たち高校生にも深く関係している学校教育や科学技術などにも使われている。特に私が注目したのは災害対策にも使われているということだ。近年、日本各地で大きな地震や台風、大雨による災害がたくさん起きている。今年は特に長い時間の豪雨が多くの人達を被災させた。今も日本のあちこちで避難生活を余儀なくされている方達がいる。災害から命を救うことにも、被災者を支援するためにも税金が使われている。

私は16年生きてきた中で、幸いなことに避難生活を送ったことはない。しかし、いつどこで災害が起こるかは誰にも分からない。もし、遭った場合にも税金で命を救ってもらえる可能性がある。また、避難する場所の確保、避難生活を送ることもできるだろう。

税金をどのように使うかは選挙で当選した国民の代表者が国会で話し合って決める。私はあと2年後に選挙権が得られる。投票する時、自分の思いと同じような考えの人を見極められるように今のうちから選挙に関心を持ってみていきたい。そして、国民から集めた税金がどこに使われるべきなのかについても学ばなければならないと思った。

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2022/4/4
生活に実質的平等を 李美稘

滋賀県租税教育推進連絡協議会賞

生活に実質的平等を

滋賀県立水口東高等学校 1年 李美稘

日本ではなぜ「中負担高福祉」で国の財政を運営しているのだろうか。私は日本もヨーロッパ諸国のように「高負担高福祉」で良いのではないかと多々考えることがある。なぜなら歳入と歳出の釣り合いが取れ、今の財政も安定するはずだ。また私は幼い頃、外国で暮したことがある。貧富の差が大きく、食事することも難しい人を見たことがある。そして都会と田舎は天と地ほどの差があった。それに比べれば日本はそれほど貧困の差は大きくはない。多数の人は安定した生活を送っていると思った。しかし、社会保障が整う一方で、何もせずとも国民や国を支える歳入が不足している。それに加えて新型コロナウイルスへの対応や年々増加する国債金などの歳出により財政が苦しくなる一方だ。だから税を上げるのも一つの解決法だと思う。

しかし、税に関連することを調べているうちに、目に留まる記事を見つけた。「子供の約7人に1人が相対的貧困に陥る」という記事だ。私は一瞬自分の目を疑った。周りにやせ細って、今にも飢え死にしそうな子見かけたことはない。それに7人に1人は決して少なくはない数だ。記事を読むと、「相対的貧困」とは世帯の所得の等価可処分所得の中央値の半分に満たない状態であり、4人世帯で約250万円以下で生活している世帯のことだ。子どもたちが学習を十分にできない、栄養のある食事が摂ることができない状態にあるということだ。

この現状で税を上げ、「高負担高福祉」に切り変えるとどうなる。家計の出費だけ増加し、保障の手厚さは大きく増減しない。反って多くの親や子どもたちの生活を苦しめることになる。それによって勉強する機会を失い、貧困からぬけられない負の連鎖を引き起こす可能性もある。相対的貧困に直面している人たちに構わず税を上げることはできない。しかし、国民の安心した生活を保障するためには安定した国の財政が不可欠だ。そのためにどうしても十分な歳入が必要である。

そこで私は、「実質的平等」を重視すべきと考えた。安定した財政のために税を上げる場合は、相対的貧困に直面している人や生活に苦しんでいる人に「標準的な生活」を保障する義務がある。例えば地域の農家と協力して食料を支援したり、文房具を配布したり、お金ではなく物資による助けも必要だと思う。教育費の無償化や地域での学習会も多くある中の一つの方法だ。すぐに実施できるものは少ないが、国民の生活を助ける以外にも、地域のコミュニティの場や地産地消にもつながり、多くの面で良い効果をもたらすだろう。

一方で税を一部分の人たちに使うのは不公平という人もいるだろう。だから「形式的平等」と「実質的平等」のバランスを重視し、日本に住むすべての人の生活を考えなければならない。そのためには多くの人が税に関心を持ち、使い道を自ら考える機会を作るのはよりよい日本への第一歩だと私は思う。

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